第2章 糸口
side黄瀬
青峰っちが言わないことは分かってたけど、念は押したかった
きゅーちゃんの耳に入って、俺が青峰っちに相談したことがつばきに知れたら、きっともっと状況は悪化する気がした。
どれだけ俺が真剣に相談したことでもつばきは自分の個人的なことを俺らの話のネタにしたんだって思っちゃうかもしれない。
だから絶対に知られたくなくて念押しした
そしてそれを了承してくれたから今までの経緯と昨日の事、そして本題の相談に入った
「SEXで相手が全く濡れない時…青峰っちはどうするっスか?」
「……それは……原因による」
「原因は……はっきりしたことは不明。だけどそもそもSEXが好きじゃない」
ごめん……
こんな個人的なこと、話してごめん
罪悪感で押しつぶされそうになるけど、何とかしたい。
SEXがしたいんじゃなくてSEXのことでぎくしゃくしたくない
できないんならそれでもいい
だけどもうあんな顔も言葉も、できないことで泣くつばきも見たくない
「1回だけじゃねぇって事だよな…」
「…毎回…最初シようとしてから4か月間、一度も濡れなかった」
「SEX嫌いの理由やら程度はちゃんと理解できてんのか?」
それ…
はっきり言って全然分かってない
キスもお風呂もイチャイチャもOKでソファで胸とか触っても恥ずかしそうにするけど反応は見せてくれる
だけどベッドに行くと必ず顔も声も枕で押さえつけて、キスとか触るのが長すぎても短すぎてもダメなことは分かってるからいろんなタイミングで下に触れたけど濡れてたことは一度もない
「分かんねぇんス。SEXにいい思い出がないってことは知ってるけど、どれくらい嫌いかは分からなくてつばきは俺とならシたいとも言ってくれる」
「ますます分からねぇわ」
「きゅーちゃんは、そういう時ないんスか?」
こんなこと聞いてホント失礼だし、申し訳ないけど…
俺がただ単に下手なのかと思って色々調べてはみたけど別に多分俺は普通レベル
超テクニシャンじゃないけど超ドへたでもないと思う
「……んー……あー……あったな。誘や嫌とは言わねぇのに全然心ここにあらずで、泣きそうなの我慢してて、そん時は何度やっても濡れなかったわ」
「そん時どうしたんスか?」