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北風と太陽【黒子のバスケ】

第1章 北風


side黄瀬

ぷっくりと立ち上がる胸の先端を口に含んで転がすと、さっきよりも声を抑え込んでて、少し体も震え始めたから大丈夫なのか確認するために名前を呼ぶと、聞こえた返事は明らかに涙声で、無理を強いてたんだって自分が情けなくなった。


泣かせてまですることじゃない。

嫌だったり怖かったり不安だったりするなら、今日だっていつも通りのキスとイチャイチャだって全然いい


お風呂一緒にって俺が言ったから、しなきゃいけないって思わせちゃったんスかね……



「ごめんね。まだ早かったっスね」

「っちがっ……」

「無理しなくていいんスよ。今日はこのままぎゅってして寝よ?」

「違うっ……本当に無理なんてしてない。恥ずかしかっただけなの…ホントにそれだけ」


そうは言われても……

恥ずかしくて泣いちゃうって……そんな事ある?

恥ずかしくて体がカチコチになっちゃうとか、涙目になっちゃうとかなら全然あると思うけど、あんな涙流してぽろぽろ泣くなんて、絶対無理してる


「うーん……じゃあもっと直接的な質問に変えるっスけど……つばきは俺とエッチしたい?」

「なっ……」

「恥ずかしいかもしれないけど、これはちょー大事なことだから」


したいって返事が聞きたいんじゃなくて、ちゃんと気持ちを知りたい。

こんなこと聞くなんて今までしたことないけど、泣いてるのに無理してないなんて言われてもさすがにすぐに納得はできない。



「…し…たぃ……」

「もう少し待って欲しいとか、これは嫌とかあるなら教えて?」

「……声……きかれたくない……体も顔も、見られるの…ヤダ……」



それって……

全然心の準備できてないじゃないっスか…

てかでもお風呂は一緒に入ってくれたっスよね?
声も聞かれたくなくて体も顔も見られたくないって……


初めての経験に俺は混乱してどうしていいのか全く分からなかった。


「とりあえず服着せるけど、それはいい?」

「…今日はしないって……こと?」

「つばき、ちょっと話そ?」


本人は無理してるんじゃないって言うけど、これで無理してないのを信じろって方が無理


さっき脱がせたルームウエアを着せて腕の中に引き寄せると、しょんぼりと眉を下げていたけど泣いたり震えたりはしてなかった。
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