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北風と太陽【黒子のバスケ】

第1章 北風


side黄瀬


「ほら、そんな隅っこいないで、こっちおいで」

「っ…ぇっ…ちょっとっ……待って…」


絞り出すような半分泣きそうな声に、相当頑張ってくれてるんだってことが伝わってきて、俺から近づいて後ろからそっと抱きしめた



「怖い?」

「ちが……くて……恥ずかしくてっ……」


やっぱ、めちゃくちゃ可愛い

だけど俺だって一緒に風呂ってのは結構ハズい。
こんなこと好きじゃなきゃ絶対しない

男はSEXだけなら大して好きじゃなくてもできる。
溜まったもんを自分で出すよりも相手がいた方が気持ちいってことを知ってるから、要するに排泄欲ってのだけでSEXができる生き物。

だけど男だって欲よりも感情を大事にしてる人がたくさんいる

キスとか一緒にお風呂とか、ムードを大切にしたいって思うのは相手の子が大事で、少しでもリラックスしてほしいから。

排泄したいんじゃなくて愛し合いたいから

挿入よりもその前の確かめ合う時間が照れくさくて恥ずかしいけど、そこで時間をかけて相手のいろんなことを知れるから、繋がれた時めちゃくちゃ愛しいって思うんだと思ってる。



「俺も、めちゃくちゃドキドキしてる」

「…涼太も?」

低くなるように座ってた背中を少し伸ばしてつばきの耳が自分の心臓に来るように当てると、濡れた手を俺の胸について心音を聞いて、ほっとしたように可愛い声を漏らした


「……ホントだ…」

「つばきばっかじゃないんスよ。好きな人とこんな風にしてたら俺もめちゃくちゃ照れる」


こんなこと言っちゃうなんてかっこ悪いけど、それが本心

かっこつけて取り繕ってする恋愛なんて疲れるだけで意味なんてない。

かっこつけなきゃいけない時はもちろんあるけど、SEXって全部さらけ出せなきゃ心から気持ちよくはなれない


恥じらいを捨てるって事じゃないけど、心を解放して深いとこで、言葉にならない気持ちを伝えるのが意味と愛のあるSEXだって思ってる

俺だって若いときは意味のないSEXとか散々してた。

けど、ある時終わった後のむなしさに気付いてそれからは一切やめた。


賢者タイムじゃなくてあれは多分虚無感

終わった後に幸せが残る行為をしたいから変なプライドは捨てる
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