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《刀剣乱舞》この雨が止むまでは

第8章 はち


 …何を今更。辛いと言うなら、もうずっと昔からだ。やっときみに打ち明けられたと、すっきりしてるくらいだ。

 などと言ったら、きみの顔が悲しみに歪む事は当たり前に分かっている。
 なんて答えていいか、わからなかった。


ーーーーー
ーーー

 「え?!お世話係を交代制に??」

 大広間に清光の大きな声が響く。
 その声にザワザワし始める。

 「本当は、お世話係自体撤廃してもいいんだけどね。
 何もできない子供じゃないし」

 痛々しい苦笑い。
 俺のせいだとはっきり言ってくれた方がまだいい。

 途中伽羅坊と目があって、呆れたようにため息をつかれた。

 「今日、桑名と雲さんと畑仕事をしたの。それで、気づいてあんまりみんなとちゃんと交流できてなかったのかもしれないって。
 短刀の子達とはよく遊ばせてもらっていたけど。でも私、みんなの主だからさ。
 …もちろん、強制じゃないよ。断ってくれて構わない。やりたいって言ってくれる子だけで、ローテーションしようかと思って」

 馬鹿な主。
 やりたくない奴なんていねぇって。

 「ごちそうさん」

 わざとらしく箸を置いて、早々に部屋に戻る。

 その後の場が凍りついていたことなんて知るか。
 …俺は、どうしてこんなにイラついている?

 今日が出陣がある日でよかった。

 戦闘着に着替え、出陣の待機部屋に誰よりも早く着く。

 この際単騎出陣してしまおうかと思うくらいだ。

 「お、お待たせしてすみません」

 次に来たのは五虎退。

 「待ってねぇよ。それに五虎退、俺と同じ部隊じゃねぇだろ」
 「そ、そうですね」

 そんな目で見るなよ。
 俺のことを。

 そのうち他の部隊のメンバーが揃っていく。

 俺の部隊だけが揃わない。
 いつもは気にならない些細なことすら、琴線にふれる。

 「待たせたな」
 「遅い…って、伽羅坊かよ」
 「急に変更になったんでな」
 「加州清光入りまーす」
 「加州?君の名前は入ってなかったと思うが?」
 「逆に聞くけど、俺たち2人以外にそんな状態のあんた相手にできると思ってんの?」
 「どう言うことだよ」
 「仲間にまで殺気飛ばすなって言ってんの。ほら、行くよ」

 参騎も単騎も別に変わらなかったんじゃないかと思いながら、初期刀の背中に着いていく。

 八つ当たりのように刀を振るった。
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