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《刀剣乱舞》この雨が止むまでは

第7章 しち


 「やっぱりここ、敵の本拠地だ。最悪」
 「どういうこと?」
 「説明は後。ったく、実力を見てあげるよ」

 安定に支えられながら、背中を押されるままについていく。

 「安定、鶴さんは?清も」
 「大丈夫、頃合いを見て引くことになってる」
 「でも、」
 「僕の仕事は、主の護衛。本丸まで連れていく役だかっ、ら!!」

 目の前の敵を蹴散らしつつ、その姿が私の目に入らないようにしてくれているのがわかる。

 「ここまでくれば大丈夫、かな。主、端末持ってる?」
 「うん、」
 「ちょっと貸して」

 それを安定がいじっているうちに、戻ってきたのは清光。

 「清、」
 「主!!無事?!はぁ、よかった!!」
 「清怪我、」
 「大丈夫、全部返り血だから」

 ポンポンと頭をなでられる。

 「鶴丸は?」
 「あっちで派手に暴れてる」
 「だから通じないのか、清光」
 「あぁ、わかった。気をつけてね」
 「やすさだ、」
 「主、大丈夫だから。僕たちこんなの慣れてる。あとは清光について行って」
 「行くよ、主」

 清光の誘導で開けた場所にでる。
 清光の持っていた端末で出てきたゲート。

 「帰るよ」
 「でもまだ安定と、鶴さんが」
 「大丈夫、あっちはあっちで帰ってくるから。なんのために、主に端末借りたと思ってんの。
 俺の言うこと、信じられない?これでも嘘つかないでやってきたと思うんだけど」
 「…うん」
 「主、ごめんね。すぐ行けなくて」
 「ううん」

 この件に関してはこれだけ、これだけの会話で終わった。
 ゲートを潜ると本丸で、いつもと変わらないみんながいた。

 「混乱してると思うから、説明は後ね」
 「うん」
 「休んでて、2人が帰ってきたら呼ぶから」

 大広間の方に行くのを見て、悟った。
 一期に三日月明石に江雪、一文字は山鳥毛…刀派1人ずつとすれ違う。

 「…おい」
 「…伽羅」
 「来い」

 腕を引かれ連れて来られたのは、伊達の部屋。
 私をこたつに座らせると、自分は窓の側に遠く離れて座る。

 「主!」
 「貞ちゃん」
 「災難だったな、大丈夫か?」
 「うん」
 「蜜柑でも食べるか?」
 「ううん、大丈夫」

 私が答えると、大きなため息をついたのは、離れて座っていた伽羅。

 「………はぁ」
 「伽羅?」

 立ち上がり、部屋を出ていく。
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