第6章 ろく
「それこそ主の少女漫画じゃん。僕その手の1番手の男より、2番手の愛嬌がある奴の方が好感持てる」
「話合わねぇ。っていうか、いつまで立ってるの。座りなよ」
「いつものことだろ」
そう言いつつ、隣に座った安定。
主は奥の台座に座って、変わる変わる男士達に可愛がられてる。
「…大きくなったよな」
「主も16歳、…ふふ、主じゃなかったら、60過ぎだよ」
「安定」
「いいじゃん、いいことだろ。僕たちからしたら…まだ一緒にいられるってさ、本当に」
「いつまでいられるんだろうな」
「ずっとだろ。…人として幸せになって欲しいと思う反面、僕は主より長く生きられる奴じゃないと結婚も何も認めないって決めてるから」
「それじゃあ、俺らじゃん。ダメだよ、天秤にかけられないもの。
主ももちろん大切だけどこんだけ長い間いたら、俺みんなのこと大事なんだから」
「その時は僕が切るよ、お前ができないならね」
「…安定、そう言うとこずるいよね。誰に似たの」
「強いて言うなら、沖田くんかな」
「却下。俺の方が沖田くんに似てるもん」
「何を」
喧嘩になりそうなところを止めたのは、向こうに居たはずの主。
「こーら、何してるの。沖田組」
「安定が突っかかってくるから、いなしてただけ」
「僕は心配してやったのに、無碍にするのは清光だろ」
「ほんと、仲良すぎなんだから。私も混ぜてよ」
「主役が端に来てどうすんの。俺は保護者でずっと一緒にいるからさ、他の奴に行ってもいいんだよ?」
「なんだよ清光。主に構ってもらえなくて不貞腐れてたの」
「えー、何それ可愛い。いつもは呼ばなくたって来てくれるのに、今日は来てくれないんだって思ってたんだよね」
「ば、馬鹿!不貞腐れてたわけじゃねぇよ。考えてただけ。可愛いはありがと。主の可愛さには負けるけど。
…それにしても、立派になったね。こんなに小さかったのに」
「ふふっ、うん。まぁ、まだまだだけどね。できないことも多いし、私こんなんだから、昔の友達なんてもう二度と会えないけどさ、…でも、清光や安定やみんながいてくれたから、寂しいって思わなかった」
そんな言葉に胸が締め付けられる。
「お世話かけました。これからもかけます…なんてね!」
「…っ、」
「昔は頼ってばっかりだったけど、私も少しはできること増えたし」