第5章 ご
「血が沸いた」
「あんたのためになったんならいいけどな」
主を抱いて手合わせ部屋に入る。
いつもは、主も小さいしこんな過激なものを見せてはと、ほぼ初めてに近い具合で、ここに連れてきた。
「おつー、二人とも」
「清光、…え、主!?」
「加州、あんた…っ、主、いいのか?」
「まぁ、手合わせ終わってたし。というか、終わるかなって言うタイミングだったから連れてきた」
二人も、予想外のゲストに思わず目を見開きながら、ジリジリと近寄ってくる。
「ほーら、主。二人にお疲れ様って言ったげて」
「おつかれさま!」
「ぐっ、」
「…っ、」
噛み締める2人が面白い。
下ろしてと、合図をされたからそれに従うと、悶える2人にお熱?お怪我?と主が心配そうに言うもんだから、思わず笑ってしまった。
汗だくの2人、主を抱きしめることを少し躊躇している。
…ははっ、分かるな。
稽古場に連れてくるなんて、俺ちょっと意地悪だったかも。
「あーるじ、そろそろ行こっか。2人ともお風呂沸いてるから、入るなら一番風呂どうぞ」
「ずるいぞ、清光」
「俺が写しだからか」
「なに言ってんのよ、稽古終わったらフリーでしょ。風呂終わったら主のこと思う存分かまったげてよ。じゃねー」
「まってるね」
「…くっ、」
「…っ、」
主が2人に手を降ると、発作のように悶えている。
「だいじょうぶかな」
「大丈夫よ。2人とも主が大好きってだけだから、お風呂から上がったら、すぐ構いにくるよ。
じゃあ、行こっか」
「うん!」