第2章 初対面
でも、妹には罪は無いと思っていた。
兄妹ができると言うのはとても嬉しく感じるものだと僕は思っていた。
「千尋…って言うんだね?」
「ええ…」
「いきなり兄妹だって言われても困るよね…」
「でも、私、お兄ちゃんが欲しかったの…」
僕はその言葉を聞くと正直とても嬉しくなった。
それにこの千尋はとても可愛い顔をしているのだ。
「さ、挨拶はそれくらいでいいだろう。寿司を頼んであるからみんなで食べよう。食べながらゆっくりと話すといい…」
叔父の博隆がそう言ってくれた。
僕はその言葉を聞くと内心とても安堵したのだ。
これ以上、千尋からの質問に答えることができなかったからだ。
こうしてみんなと話していても庭から沈丁花の花の香りが漂ってくる。
叔父の家の庭にも沈丁花があるらしい。
とても良い香りだと僕は思っていた。
叔父の話しだと母の裕美と千尋は暫く実家にいるらしい。
「お母さん、私、シアトルには帰りたくない…」
「どうして?」
「うん、お兄ちゃんと一緒に居たいの」
「それは困ったわね…」
「パパに相談してみてよ…」
「仕方ないわね、相談してみるわ」