第13章 エピローグ
誠はかなり驚いている様だった。
「うん、そうなんだ。だから僕は千尋と結婚することにしたんだ」
「随分と、急じゃないか…」
「千尋を他の男に取られたくないだけさ。誠は、灯里ちゃんとはどうするんだよ?」
「あん、俺と灯里か?別に今までと変わりないぜ…」
「それじゃ、灯里ちゃん可哀そうじゃないか?」
「いや、俺は灯里に彼氏が出来たら関係を終わらせるつもりでいるんだ」
「そうなのか?」
「あん、そうさ、それまでは灯里との関係は続けて行くよ」
こんな話を聞いて僕は灯里ちゃんが可哀そうになった。
灯里ちゃんも早く彼氏を見つけて欲しいと思っていた。
千尋との生活はとても楽しい。
僕は子供の頃、兄妹が居なかった頃の寂しさを思い出していた。
だが、今は千尋が居るのだ。
心から幸せだと感じている。
これが、千尋と僕の物語だった。
この先もずっと千尋とは一緒にいるだろう。
そして、この先もずっと千尋を愛してゆくだろう。
沈丁花の香りが僕たち二人を祝福してくれているように感じた。
沈丁花の香りは僕の心を満たし幸せを感じさせてくれる。
(終わり)