第9章 セックス
グラタンか。
僕の大好物だった。
それを作ってくれるというのだ。
嬉しさもひとしおだった。
僕は重たい買い物袋を持ちながら、まゆみの後をついて行った。
まゆみの自宅はセンター北から直ぐの所にある5階建てのマンションだった。
2階部分に住んでいるという。
エレベーターで2階まで行き、205号室の前でまゆみは足を止めた。
そして、部屋のキーを出し、扉を開ける。
「さ、どうぞ…」
「お邪魔します…」
僕はとても内心緊張していてドキドキしていた。
部屋は広い1LDKだった。
部屋にはシングルサイズのベッドが置かれ、サイドボードの上にはテレビが置いてある。
ベッドの近くにはガラスのテーブルが置かれていた。
部屋の隅には洋服ダンスとドレッサーが置かれている。
ちょっと狭い感じがしたが部屋はとても綺麗に整頓されている。
女性の部屋と言う感じがした。
キッチンはとても小さくて狭かった。
その狭いキッチンでまゆみはグラタンを作り始める。
僕はどうしていいのか分からないで部屋の真ん中でぼんやりしていた。
「あぁ、細野さん、ごめんなさい、そこで座って待ってて」
「うん、分かったよ」