第8章 彼女
「じゃ、私、それにします」
「その他にもサラダとかも食べないかい?」
「ええ、そうします」
「シェアして食べよう」
「そうですね」
僕はウェイターにハンバーグステーキとシザーサラダにパンを頼んだ。
ウェイターはそれを聞くと端末に入力してほかのテーブル客のところへと行った。
ここのハンバーグステーキはボリュームがあるのだ。
ハンバーグだけでもお腹がいっぱいになる。
サラダとパンにハンバーグなら十分だと思った。
「細野さんはお仕事はアパレル関係なんですよね?」
「うん、百貨店でアパレルの仕事をしているよ」
「私は、不動産で事務の仕事をしています。今日は特別に土曜日に休暇をもらいました」
「そうだったんだね。僕も今日は休暇をもらったんだよ。じゃ、次回からは土曜日じゃなくてもいいんだね?」
「そうですね。私は水曜日が休みなので…」
どうやら休みの日は何とか調整がつきそうだった。
僕がまゆみに合わせて水曜日に休みを入れれば済む事だった。
暫く話しているとシザーサラダが運ばれてきた。
まゆみが僕の小皿にサラダを取り分けてくれる。
これ程嬉しいことはない。
僕は心躍った。