第7章 添い寝
でも、怯えている千尋を拒絶する事はできなかった。
「あぁ、明日の朝まで一緒に眠ろう」
「本当に?」
「あぁ、いいよ。安心してお眠り」
「お兄ちゃん、ありがとう」
そう言うと千尋はとても嬉しそうだった。
外はまだ雷が鳴っている。
いつまでこの雷雨は続くのだろう。
早く収まって欲しいと僕は思っていた。
千尋は先ほどの僕の言葉を聞くと安心して眠りについた様だった。
「スースー」と静かな寝息を立てている。
僕は千尋の顔を見た。
寝顔もとても可愛らしい。
益々僕は好きになってゆくのを感じていた。
こんなに好きになっていいのだろうか。
僕は千尋の隣で大人しく眠ることができなかった。
と、言うか眠れなかったのだ。
心臓のドキドキは収まったのだが、気持ちが収まらなかった。
千尋を好きになってゆく自分に気づいてしまうのだ。
暫くしてからだった。
ようやく外の雷雨が収まってきたのだ。
雷はもう鳴らなくなっていた。
雨も小降りになっている様だった。