第5章 MENさんとタイタイさんの守護霊
MENさんは、まだ不思議そうな顔をしながらも、分かりましたとその場に座り直した。私はありがとうございますとお礼を言って白蛇さんへ目を向けた。
白蛇さんは、視る度にその姿形を少しづつ変えたり、時には人のような姿をしていることもあった。
だが今は人の姿ではなく、蛇そのものの姿だった。MENさんの肩に居座っている白蛇さんは、じっと私に黄色い目を向けていた。
「オヌシは確かに、霊感が高まっている」白蛇さんは静かに話し始めた。「それによる霊害も起こらないとは言い切れないだろう。だからワシに、アドバイスを求めに来たのだろう?」
私は小さく頷いた。
すると白蛇はちらりと横のMENさんを見やってこう言ったのだ。
「MENと共に近くの神社に参拝するのが一番良かろう。運が良ければ、ワシとMENの偶然の幸運が、オヌシに守護霊を派遣するかもしれんからの」
「偶然の幸運って……」
偶然を祈らなければいけない状況なのか。私は、具体的な対策がないことにやや不安を覚えた。
「偶然の幸運……?」
一方のMENさんは、幽霊の言葉が聞こえないので私の言葉は独り言のように聞こえているはずだ。MENさんは不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
そうだった。MENさんは自分の守護霊が偶然の幸運をもたらしているとは知らないのだったと気付き、私は白蛇さんの話をすることにした。白蛇さんも怒っている様子はないし、偶然の幸運の話くらいしてもいいだろう。
話し終えると、そうだったんすかとMENさんは驚きを隠せない様子だった。