第5章 MENさんとタイタイさんの守護霊
数日後。私はかなり悩んだ挙句、MENさんに連絡した。
MENさんには、かなり強い霊力を持った白蛇さんが守護霊として憑いている。その白蛇さんは、私にいつも幽霊についての詳細を話してくれていたのだが、出現率はいつも鬼没的。こちらから話そうと思った時には、こちらからMENさんの元に行かなくてはいけなかったのだ。
とはいえいつも忙しいMENさんにいつ会えるかという相談をするのはちょっと気が引けたのだが、このままでは私にいつ危険な霊害が起こるかも分からないので、対策を白蛇さんに聞くためにも仕方なく連絡したことだった。
しかしMENさんはあっさりとOKを出してくれて、私は予定を調整して早速MENさん宅へ向かった。
幽霊と話す、となるとなかなか外で会うには勇気が必要で。MENさんにもそれとなく幽霊の話だと伝えてみると何か察してくれたみたいで、分かりましたと承諾してくれた。
「霊害、ですか……」
MENさん宅にお邪魔して、ここに来た経緯をMENさんに細かく説明した私。MENさんはやはり、半分は信じられないみたいな顔をしていた。
「信じられないかもしれませんけど……最近視え過ぎている気がして」
親にもここまで相談したことのなかった幽霊の話。まだ私には、勇気が必要だった。
「それで、俺の守護霊と相談に来たんですよね?」
「そうです。……すみません、幽霊と話すだけなのに」
「いえ、大丈夫っすよ」
幽霊とはいえ、誰でも喋れる訳ではない。犬や猫が人間と同じ言葉を喋らないように、幽霊にも言葉が話せる話せないがいるみたいである。もっとも、私がそこまで霊感がないからか、幽霊の言葉が分からないこともあるのかもしれないが。
「じゃあ、俺は別の部屋にいた方がいいっすかね?」
と配慮してくれるMENさんに、私ははいと返事をしようとした。だが直後、MENさんの肩の上から真っ白な蛇が現れて、待てと話し出したのだ。
「あ、待って下さい」私は白蛇さんの言葉通りにMENさんに伝える。「白蛇さんが、待てと言っています」