第21章 ぽんPさんの守護霊
「何よMEN、こんな人前で堂々とデートに誘ってんの?」と揶揄うように言ってきたのはぼんさんだ。「デート行きましょって言えばいいのに」
「デートなんてそんな……」
畏れ多いですと私が手を前に振ったが、ぼんさんはクスクスと笑うばかり。MENさんも冗談を〜と笑ってはいるが少し控えめに見えた。
その時ふわりと、何か気配を感じて目を上げると、ぼんさんの後ろからぽんPさんが近づいてきていた。ぽんPさんの周りにはなんと、炎の龍がぐるぐると巻きついていて、私は思わず見取れてしまった。
「お前さんには視えていないようだったからのう、たまには可視化してやろうかと」と炎の龍が話しながら私の目と先まで顔を寄せた。「我が名は炎龍。見ての通りじゃ」
「エンリュウ……」
一抱えもあるような大きな瞳に見つめられ、私はそう繰り返した。
炎龍はそのまま、顔を引っ込めてぽんPさんの元に戻っていた。そこで私はようやく現実に戻された感覚になり、どうやらぼんさんとぽんPさんは先に帰るという話になっていたらしい。
そうして二次会に行く組とそれぞれ帰る組で解散となったのだが、真っ先に帰って行ったぼんさんとぽんPさんを見送った誰かが「デートだな」なんて呟いた。
そうして私は、MENさんと近くの神社に行くことにした。おらふくんも行く〜って言っていたけれど、ラーメンにも行きたかったみたいでかなり悩んで二次会組の方へ行った。
「さて、行きますか」
「はいっ」
私たちは二次会組をお見送りして、反対方向へと歩き出した。