第20章 ジャジャさんの守護霊
「そうやったんですね……」
私が話終えると、おらふくんは少し悲しげに俯いた。最初からそうだったが、彼はとても優しい心の持ち主だ。それは感情移入してしまう程の優しさで、だから目に見えない様々なものに好かれるのだろうなと私は思う。
「でも、こうしてこんなところで考えても、どうしようもないですよね」私はなんとか笑顔を繕った。「視えたところでどうしようもないし、今のところは様子見しかないのかな、なんて……」
もし、あの黒い何かや死神がこれ以上のことをしてきたら、と思うと恐ろしいが、白蛇さんも言っていた通り無闇に恐怖を抱くとますます負の霊が干渉してくると聞いていたので、あまりこの話はしない方がいいだろうと私は思ったのだ。私の言葉にみんなは何か言いたげだったが、最終的にはドズルさんの「そうだよね」の一言で話は終わり、会場に戻ろうとした時に誰かがやって来た。
「おお、ドズルさんにみんな、間に合ったか?」
と男性はにこやかに微笑む。彼を取り巻くオーラに私は見覚えがなかったから、多分初めましての人だ。なぜなのか彼の周りにはカラフルな音符マークがくるくる跳ねたり飛び回ったりと忙しない。こんな守護霊みたいなオーラは初めて視た。
そんな私の視界に何が映ってるのか知らないドズルさんは、クスクスと笑って彼に返事をした。
「ジャジャさん、もう二時間も遅刻ですよ」
ジャジャーン菊池さんとも呼ばれる彼のオーラは、カラフルな音楽が流れていた。