第19章 状況説明
「ルザクくんに水色の死神?」
私の話を聞き終えると、ドズルさんは驚いたようにその言葉を繰り返した。
「はい、信じられないかもしれませんが……」
「いや、疑ってはいないんだけどね?」
と言いながらドズルさんはおんりーさんとMENさんへ目配せをした。私はその視線の意図が分からず首を傾げる。
「ルザクがそんなに不運だと思ったことないけどなぁ……むしろなんでも出来ちゃうイメージ」
「さっきまでずっと卓球やってましたがすぐ上手くなりそうな感じでした」
ドズルさんの言葉に続いてMENさんがそう言う。てか忘年会で卓球してるのも面白い図なのだがそんなことを考えている場合ではない。
「不運といえば、アマグリさんとかなら当てはまりそうだけど……」
「アマグリさんって、あの卓球してた……?」
おんりーさんの言葉で、アマグリと名乗っていた男性のことを思い出す。アマグリさんにも不思議なオーラが視えてはいたが、それより彼にも黒い何かが憑いていたのが印象的だった。
「アマグリさんにも、何か黒いのいたんですよね……」
あの時は、白蛇さんの分身がいるタイタイさんがそばにいたからなんとかなったが、今は大丈夫なのだろうか?
「え、アマグリさんにも悪い幽霊がいたってこと?」
私が一人で悶々と考えていると、ドズルさんがそう聞いてきた。私は頷いた。
「はい……そこまで強くはなさそうでしたが……」
と私は答えながら、アマグリさんのことも心配になってきた。こんなに心配していたら、自分の身が持たなそうだ。
「サンチャンク絡みでなんか悪いのがいるんすかね……」とMENさんが言った。「コメショーはどうだったんですか? さっき、リゾットを届けに来たやつです」
「あの人は……はっきりとは視えなかったのですが、多分大丈夫そうな感じです」
コメショーさんの背中に視えたキラキラしたものを思い出しながら私はそう答えたが、そういえばスプーンを取ってくると言っていたがまだ戻って来ていない。何かあったのだろうか? と会場の方へ目を向けた時に別の人物がやって来た。
「こんばんは〜。あ、みんないたんですね」と言いながらやって来るのはおらふくん。「さっきそこでコメショーに会って、スプーン届けてくれって言われたんですけど……何かあったんです?」
私は、おらふくんにも、ドズルさんたちに話したことを伝えた。