第18章 コメショーさんの守護霊
「こんばんは、大丈夫ですか?」そうこうしている内に、忘年会会場から誰かがやって来た。「具合悪いスタッフさんがいると聞いて、リゾットなら食べれるかなって持ってきたんですけど……」
と持ってきた深皿を差し出して来た男性。ラフな格好だがどこかオシャレに見えた。
「ありがとうございます。えっと、お名前は……」
「コメショーです。初めまして、ですかね?」
「ああ、初めまして……」
と私はお辞儀をしてコメショーさんからリゾットを受け取る。それを見るとなんだかお腹が空いてきて、食べようと思ったがスプーンがない。あれっ? と戸惑っていると、すかさずMENさんがツッコミを入れてきた。
「おいコメショー、スプーンがないぞ」
「あ、忘れてた!」
とコメショーさんは言ってバタバタと会場へ戻って行く。立ち去り際に、彼の背後に何かキラリと光る虹色が見えた。アレは彼の守護霊かオーラだろうか? 人外以外の守護霊はまだよく視えないことも多く、私は首を傾げた。
「いやぁ、ごめんごめん、色んな人に捕まっちゃってなかなか来れなくて……」
コメショーさんとすれ違って出てきたのはドズルさんだ。私はそこでようやく、ホッと息がつけた。ドズルさんの守護霊は、奥さんの生き霊だ。ドズルさんとその守護霊を見ると、不思議と落ち着くことが出来た。
「……今は大丈夫そうですか?」
その横でおんりーさんが気遣うように訊ねた。おんりーさんのところにいる守護天使も今は元気そうで、周りをフワフワと飛び回っている。
振り向くとぼんさんはマグニィさんを連れて会場に戻ったみたいだし、死神の話をするなら今しかないと思った。私は長椅子に腰を下ろし、話し始めた。
「実は……」