第17章 マグニィさんの守護霊
「ありがとうございます……」
私は休憩室みたいな廊下の途中にある部屋のようなところに案内され、そこにあった長椅子に座ってようやく私は声が出せた。
「誰か呼びます? おらふくん? それともドズルさんですか?」
隣に腰を下ろしたおんりーさんが私にそう聞いてきた。見ても周りに黒い死神も幽霊もいないが、私はどうも落ち着かなかった。そういえば、ドズルさんは大丈夫なんだろうか?
「ドズルさんは……」
「分かりました。呼んで来ますね」
私の言葉が出づらいのが分かったのか、おんりーさんはそれ以上聞かずに部屋を離れた。ドズルさんを探しに行ったのかと思われた。
「大丈夫すか」
入れ違いに、飲み物を取りに行ってくれたMENさんが戻って来て声を掛けてくれた。私はこくこくと頷くがまだちゃんと声が出ない気がした。MENさんが持って来てくれたお茶を飲むと、ツンッと冷たさが全身に広がるみたいだった。
「死神に気に入られたようだな」
と話し出したのは、私の目の前でトグロを巻いて現れた白蛇さん。MENさんの守護霊は相当強いらしく、あの時死神たちから護ってくれたのは白蛇さんのおかげかと思われた。
「私……」
これからどうなるんですか、と聞こうとして口をつぐむ。答えを聞いてどうするのか。私はこれ以上恐ろしいことを聞きたくなくて目を閉じる。まずは深呼吸をして落ち着こうとした。
「あれ、二人ともそんなところにいたんだ」
聞き慣れた声がして顔を上げると、そこにはぼんさんともう一人知らない男性が立っていた。この男性どこか見たことあるような、と思っている内にその人が話し出した。