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あの方々の守護霊は[atcr]

第10章 まろさんの守護霊


「へぇ、ドズル社のスタッフさんだったんですか!」
 私も自己紹介をすると、まろさんは気さくそうに笑った。私はうんうんと相槌を打ちながら、ちらちらとまろさんの頭上にある謎の光へ目を向ける。
 よく見ると、少し楕円っぽい形をしたタマゴにも見えた。そこでふと思い出したのは、童話に登場する黄金のタマゴのこと。もしかしてまろさんには、黄金のタマゴが守護霊として憑いているのでは?
 とはいえこうしてタマゴとか生き物ではないよく分からないものが守護霊として憑いているものを視たのはこれで二回目だけであり、それがどういう意味かは分からず……。そうこうと考えている間も、モダンくんたちを含める幽霊たちはあちこちで大乱闘を繰り広げていて、稀にコップや飲み物がひとりでに割れたり零れたりしていた。それら全て、幽霊が勢いよく通ったから起こる霊害だ。
 とはいえ、まろさんの周りだけなぜか幽霊が意識的に近づかないようにしているのが見て取れた。おらふくんのように近づくと浄化するとかではなさそうで、幽霊たちがまろさんを避けている……?
 その時、モダンくんが誰かに投げ飛ばされて私の足元で倒れた。私はまたもや一人で悲鳴を上げてしまったが、モダンくんは平気というかのように立ち上がってまたケンカに乱入していく。……そういえば、ぼんさんはどこに行ったのだろう?
「あのー、大丈夫です?」
 まろさんが心配そうに私に声を掛けてくれた。私はなんとか言い繕うことにした。
「こういうところに慣れてなくて……そういえば、ぼんさんがどこにいるかご存知ですか?」
「ああ、それなら向こうにいましたよ!」とまろさんは会場の奥を指した。「女の子たちに囲まれてたからすぐ分かると思います」
「ありがとうございます」
 女の子たちに囲まれる状況も気にはなるが、今そばにモダンくんという守護霊がいないぼんさんがどうなっているのか気にはなっていた。私はまろさんに教えてくれた通りに会場の奥へと進んだ。
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