• テキストサイズ

あの方々の守護霊は[atcr]

第8章 キオキオさんとタイタイさんの本当の守護霊


「なんだよ、おおはら。その人と仲良いのか?」
 そうしている間に、彼は今度MENさんに話を振った。MENさんはその男性にあまり取り合わず、私にちらりと目配せをした。視えるということを、話すかどうなのか聞いているみたいだった。
「あの、すみません。私、ちょっとだけ、幽霊が視えるんです」
 この人もアツクラの関係者か何かなのだろうし、信頼して話してみよう。動画や配信は少ししか知らないけど、そんな変な人はいないはず。私は心に決めてそう言うと、男性は大きく目を見開いた。
「え、そうなの? 幽霊ってことは怖いものってこと?」
 と男性からの反応。それもそうだろう。彼にはその横にいる小さな妖精の存在に気づいている様子はないし、怖がってもおかしくはない。実際、視える私だって最初は何もかもが怖く見えていたのだし。
「怖いのもあるんですけど、貴方には可愛い妖精が憑いていて……」
「はぁ?! 可愛いって言うなよ! 俺はカッコよくて強い土の妖精なんだぞ!」
 男性の反応を聞くより早く、その妖精が喋り出した。くるくると飛び回りながら私の顔の前まで飛んで来て詰め寄ってくるので、私は思わず両手を前に出した。
「ご、ごめんなさい……」
「いやいやいや、謝ることないですよ。知れて良かったです。むしろカッコよくない? 俺、妖精連れてるんだって!」
 と言って楽しそうにしている男性。そういえば、この人の名前、聞いていなかった。
「そういえばあの、貴方のお名前は……?」
 妖精に気が取られていてどこかで聞き落としたのかもしれない。と私が失礼ながらそう質問すると、彼は気さくそうに笑って名乗ってくれた。
「キオキオって言えば分かるかな? 俺、おおはらと帰宅部トリオやってるんすよ」
「ああ、貴方がキオキオさんで……!」
 動画で少しは見たことがあり、私はここでようやく名前とゲーム上の彼のスキンが結びついた。緑の姿をしたあのキャラがこの方だったのか。
「コイツが有名になったのは俺のおかげなんだからな! 俺は強いんだ!」
 そこに威張るように出てきたのはきおきおさんの守護妖精。よく見ればその肌は緑色で、きおきおさんの使っているゲームスキンによく似ている気がした。
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp