第7章 おらふくんの守護霊
そうして年末。私は、いつもとは違う装いをしてアツクラ忘年会に参加した。
忘年会は、アツクラメンバーだけでなく、彼らに携わるスタッフたちも参加していて大人数いた。
そして私はというと、会場の隅の方にいた。こんな大人数で飲食をするのは学生以来でちょっと緊張していたのもあり、私は尻込みしていたのだ。
あと、普通に幽霊さんたちも多い……。
目を逸らしても逸らしても至るところに幽霊がいる。ほとんどが誰かの守護霊か棒立ちしているだけの無害そうな幽霊ではあるのだが、一見よくいる人間や動物の姿をしていないので私は驚く声を抑えるのに必死だったのだ。
「あ、いたいた。そんなところにおったんやね♪」
「おらふくん……!」
今まさに祈ってた救世主、おらふくんが現れた。私は飛びつく勢いで両手を合わせた。
「良かった……! あの、周りが落ち着かなくて……一緒に回ってくれませんか?」
と私がお願いすると、おらふくんはきょとんとした。
「いっぱい人いるもんね〜、いいよ♪」
「ありがとうございます……!」
と私が感謝するこの方、おらふくんは、普段は守護霊がいない。ただ、その性格か純粋な心のおかげか、彼には周りの悪い霊を浄化する力があるらしい。その証拠に、私の前を歩くおらふくんの周りから、黒い幽霊が次々と消えていく。まさに天使みたいな人だ。
「あそこにMENたちがいるから一緒に飲みませんか?」
とおらふくんが指す方向に、確かにMENさんがいた。そして、MENさんと話し込んでいる様子の二人の男性。確か一人は、たいたいさんだったはず。
だけど私は、MENさんと話すもう一人に目が奪われていた。
いる。人間じゃないものが。