第2章 閉じ込められた生活
桜潤がこの家に来てから1ヶ月は経ったか。
従順で俺の言う事はなんでもよう聞いてくれる桜潤は本当に可愛らしくて、俺はあの部屋に閉じ込めたんや。任務から帰ってくれば大して傷も負ってへんのに癒してなんて頼んで、意識が飛ぶまで抱き潰したし俺の好きな咥え方とかもたっぷり教え込んだ。
最初は年下で普段性処理に使うような女中にもいない若い子やし美人と聞いたから、ただの処理係で数日借りようと思っただけやったのに、あの目を見た瞬間この子を誰にも触られたくない。俺だけのもんにしたい。あの紅い綺麗な目を俺以外に向けんなや。そう思ってしまったんや。俺の不覚だった。
今日も桜潤は俺の選んだ着物を着付けてもろうて、艶々の黒髪を綺麗に梳かして立っている。俺を見るなり小さく笑う桜潤を撫でてやりたかった。
俺が優しく話してあげて、頭を撫でてやるとわかりやすく喜び顔を赤くするのが、かわええんや。
俺は部屋から出るなとも言っとってはなかったけど、桜潤は俺の気持ちを察してるんか部屋からあまり出なかった。毎日綺麗な絵を描いてるか本を読んでいる。ハキハキせずに奥ゆかしいのも可愛いと思うてしまう。
俺が任務で出る事を伝えると少し寂しそうな顔をしたのが堪らん。待っててな。任務から帰ってきたらまた構ったるから。
任務自体は2級の呪霊で高専に入る前の練習のような物だった。夕方になる前には終わらせて車で禪院家に戻る。
門を通り母屋を目指して歩くと甚爾くんが廊下を歩いて行くのを見かけた。
「甚爾くんやん、俺にも体術教えてや。」
甚爾くんは俺の方をちらっと見るとニヤッと笑った。
「直哉、あのガキずっと閉じ込めて置くのかよ。ちゃんと見とかねーと俺が拐っちゃうぜ」
俺には甚爾くんが何を言ってるのか、何があったのかわかった。桜潤となんかあったんや。
「なんやぁ桜潤ちゃんと会うてしもうたんか?甚爾くんそれは堪忍してくれや。俺が甚爾くんに勝てないって知ってるやろ。」
甚爾くんはその言葉を聞いて返事もせず歩いて行った。
俺は笑って言ったけど甚爾くんに勝てないのは本当やった。桜潤に会わへんと。あいつを閉じ込めておかんと。ダメや。