第2章 閉じ込められた生活
部屋の戸を開けて廊下に出ると静かで誰もいない。みんな任務や訓練に出払っているようだった。私は静かに廊下を歩いていると低い声で後ろから呼ばれる。
「おい」
私は振り返るとそこには黒髪の背の高く身体が大きい男性がいた。顔は…整っており、明らかに私や直哉くんよりも大人だった。よくみると口元に傷痕があり…他にもケガをしている様だ。
「はい……なんでしょうか?」
「お前反転術式とやらを持っているガキだろ」
彼はニヤリと笑い柱に寄りかかりながら腕を組んで言った。
「あの……そうです………」
「クソガキのお気に入りになっちまったんだな。あんまり見ねえと思ったんだよ。お前がこの家にきた日に見たっきりな」
「はぁ………」
彼は私に近づき私の身体や顔を見ながらニヤニヤして話す。
「お前、あのガキに閉じ込められてるんだろ。あの部屋に。他の男と話すなとでも言われてそうだな。」
「はい、言われてます。なのでごめんなさいこれ以上は……」
「気にすんなよ。今ここには俺らしか居ない。こんな薄暗い気持ち悪い場所に連れて来られてお前も可哀想だな。あのクソガキに一生性処理させられるぞ。まぁまだいいか。最初の話だとお前は“禪院家”の処理係だったんだからな。回復も出来るんだから都合いいよな。」
私は彼の言葉を聞くと知ってはいたものの、これ以上に相手をさせられてあの最初に広間で会った男性達の相手にならないといけないと想像したら寒気がした。
彼が私の顎を掴み彼と目が合うように顔を向けさせると彼の綺麗な目が私の目と合った。私は息を飲み黙った。
「お前確かに顔がすげえ綺麗だな。不思議な目の色してる。スタイルも悪くなさそうだしな。お前何歳なんだよ。」
「13歳です………」
「やっぱりガキじゃねーか。まぁいいや。」
彼は私の顎から指を離すとまた腕を組み言う。
「あの部屋に大人しく戻れ。お前が思ってる以上に周りの大人は汚えよ。たまにあのクソガキがいない間に会いに行ってやる。俺も暇なんだよ。」
「あの………その、、、ケガ大丈夫なんですか?」
「あぁ?これか。気にすんな。もっと仲良くなったら治してもらおうかな。」
「直哉くんに怒られちゃいます………」
「そのクソガキより俺の方が強いから安心しろ。」