第11章 day8 荼毘 死柄木弔
ホークスside
荼毘について聞きたい事があって電話したイレイザーヘッド
思わぬ事態に携帯を握りしめた手が小さく震える
ちゃんが
行方不明
いてもたってもいられなくなって立ち上がり上着を羽織る
しかし九州では荼毘の目撃情報や他の事件の案件もあり今すぐに駆け出せず
そわそわと事務所の中を歩き回っていた
そんなにすぐに解決するはずがないのも分かっているが待ちきれずにもう一度イレイザーヘッドに電話をかける
山の中
探し物
その言葉を聞いてピンときた
あの日
確かに言ってた
昨日の事件で落としたんだって
俺があげたネックレス
わざわざ探しに行ってくれる程大事にしてくれてたのかと思うと胸が嬉しさと切なさで痛くなった
「なにがこれからは俺が守るだよ‥こげん簡単に攫われて情けなか‥」
やるせなさにくしゃりと髪を掴む
それでも落ち込んでる暇なんかなくてすぐに事務所から飛び立つ
上から見下ろす街はキラキラと輝いていた
この平和を守りたい
それだけじゃなくて
俺は
「無事でいてくださいよ〜‥じゃないと俺、生きてけないんで」
好きだと言葉で伝えたからにはもう後ろに退く気はさらさらない
今度はちゃんと2人で改めて会って
付き合って欲しいと伝えるつもりだった
どんな危険が待ってようと
俺が必ず守って
人生のパートナーとして生きていきたい
「ホークスさん‥荼毘ですが既に九州をでたようです」
抱えていた案件を全て解決して街中の目撃情報があったところを飛び回っているとサイドキックの1人が息を切らしてやってきた
「いいところにきてくれた!とりあえず他の事件は全て解決済み、警察への報告宜しく!俺は雄英に向かいます!」
「えっ?!はやっ‥さすが‥了解しましたっ!」
一刻も早く彼女を見つけ出して
この腕の中に抱きしめる
それだけを考えて雄英へと急ぐ
荼毘にまたあんな酷いことをされていないか
今はそうしていないと最悪の考えばかりに飲み込まれてしまいそうだった
そしてこの時の俺はまだ知らなかった
荼毘だけではなく
もっと最悪な事態になっていたことを