第10章 day7 死柄木弔
相澤side
外で探し回って数時間
いまだ何も有力な手掛かりが掴めないまま時間だけが過ぎていく
怖い思いはしてないだろうか?
また前みたいにボロボロになってなければいいと心から願う
『あいざわ‥せんせ‥?』
「っ?!」
先生の声が聞こえた気がして辺りを見渡してみるが気配すら一切感じない
「相澤先生?何かありましたかっ?」
緑谷もキョロキョロと辺りを見渡しながら近付いてくるがどうやら俺の空耳だったようだ
「声が‥聞こえた気がしてな‥それよりあっちのコンビニに聞き込み行くぞ」
「はいっ!」
プルルルル‥
目撃情報を求めてコンビニに足を踏み入れた時にポケットに入れていた携帯電話がなった
慌ててディスプレイをみるけれども相手はプロヒーロー
ホークスからだった
「はい相澤です‥どうされました‥?」
「もしもし?なんか緊迫した声っすね‥なんかありましたか?」
こっちの状況を瞬時に勘付いたホークスの声が低くなる
「‥荼毘の目撃情報があったと言うことですが‥ヒーリングガールがそばにいたという情報はないですよね‥?」
これを聞くという事は先生の行方が分からなくなっていると言うようなもんだ
受話器の向こうでホークスが一瞬言葉に詰まった
「っ‥荼毘の目撃情報はありましたが近くにはトゥワイスの姿しかありませんでした‥それもすぐに姿をくらませましたが‥ヒーリングガール‥行方不明ですか?」
「夕方までは病院での勤務にあたっていたのですがその後の消息がつかめておらず‥連絡もつかない状況です」
「っ‥分かりました‥なんとか都合つけて向かいます!」
緊迫した場面でもわりとヘラヘラとしているホークスのあんなに焦った声は初めて聞いた
電話を切ってからコンビニの店員に話を聞きに行く
「ヒーリングガールですか?見かけましたよ!遠くからでもオーラがあって可愛かったな〜!」
「「っ!!」」
緑谷と共に目を見開く
「どこに向かってたか分かりますか?!」
「えっ?!えっと‥そこの前の道を駆け上がっていってたので‥恐らく前に火事があったあの山だと思いますけど‥」