第10章 day7 死柄木弔
相澤side
近くの病院への見回りに行った先生が寮に帰ってきていないと連絡があったのが数時間前
相変わらずさっきから何度も電話しているが出る気配がない
「心操‥先生は今日何か予定あるって言ってたか‥?」
そわそわと誰もが不安な顔をして寮の中のソファに集まってきていた
「いえ‥俺は何も‥‥」
「そうか‥他に何か聞いてるやつはいるか?」
周りを見渡すけれども全員がしゅんと頭を下げたままで首を振る
「クソヴィランどもに拉致られてるに違いねェ‥こんなとこでだべってねーで早く探しにいくぞ」
頭にすっかりと血が上った爆豪が今にも寮ごと爆破しそうな勢いで出ていこうとする
「相澤くん‥何か進展はっ?」
「オールマイト‥こっちは何も‥」
冷や汗をダラダラと流しながら寮に駆け込んできたオールマイトや他の教師達も青い顔をしていた
「さっき警察には相談しました‥ヒーロー事務所にも応援を頼んでいます‥とにかく夜が明ける前に探し出さないと‥今日はまだ誰とも‥」
昨日の夜は心操とだったようだが
朝はそのまま別れて学校に行ったとの事だ
その後も病院に直行していたから
まだ誰とも身体を重ねていないはずで
即ちこのまま夜を迎えると命が危ないということ
「また荼毘に捕まってねぇといいけど‥」
轟が拳を強く握りしめる
「荼毘の方は九州で目撃情報があってホークスが対応してくれている。俺たちで手分けして探すからお前達はもう寝ろ」
「そんなっ‥僕達にも探させてくださいっ‥!相澤先生‥お願いします!」
「緑谷と同じ意見です‥俺らも探しに行かせてください!」
立ち上がった緑谷に続き切島や上鳴も押しかけて来る
「寮でじっと待ってるなんざごめんだ‥俺は探しにいくぞ」
「俺も‥探しに行かせてください」
爆豪、轟ももう待ちきれない様子だ
「分かった‥分かったからお前らはちょっと落ち着け‥生徒達だけで夜に行動するのは危険すぎるからそれぞれ教師陣に付き添ってもらうことにする」
それぞれがチームに分かれてすぐに寮を飛び出した
荼毘に攫われたあの日
2度とこんな目には合わせないと誓ったのに