第10章 day7 死柄木弔
死柄木side
偶然見つけた玩具
のはずだったけど
コンプレスにキスをされているのをみて無性に胸の奥がザワついた
自分のものをとられたような
とてつもなく不快な気分
「荼毘が夢中になった女‥ね」
あの何でもかんでも焼き尽くすような男が手放したくないと執着していた女
コンプレスに飲まされた薬を吐き出そうと試みたヒーリングガールの目からは苦しさからか涙が一筋零れ落ちた
その涙を指先で拭い取る
少し触れた頬
きめ細やかな白い肌は乾燥なんか知らず
しっとりとしていてむちむちと柔らかい
じっと見つめていると視線がばっちりと絡み合う
『‥なにか‥辛い事がっ‥‥あったの‥‥?誰もっ‥助けて‥くれなかった‥?』
穢れを知らぬような透き通った瞳が俺を見つめる
吸い込まれるような綺麗な大きな目
まるで身体の奥底にまで沈め
隠し
蓋をした過去までも癒すような眼差し
『話してっ‥はぁ‥っ‥‥くれないかな‥?』
つい話したくなってしまいそうなほど柔らかで穏やかな声と口調
本気で心配しているのが伝わって来るその眼差しは到底ヴィランにむけられるものとは思えなかった
ヴィランをも救う優しきヒーロー‥か
「なるほど‥‥これは皆んなが手に入れたくなるわけだ」
治癒の個性は単純にこっちについてくれれば俺達が有利になる
『はぁっ‥誰にもっ‥言わないから‥っ‥あなたの事‥今からでも救わせて欲しい‥のっ‥』
「別に俺は救ってもらうようなことは何もない」
『でもっ‥』
「脱がせろ」
『〜っ?!』
コンプレスの薬の効果が出始めてすでに息があがっている
服を脱がせる為に手首の拘束を解いて
白衣を脱がせていく
「前から思ってたけど‥えっろいコスチューム‥絶対男がデザインしたんだろーな‥」
コンプレスが白衣の中のコスチュームを脱がそうと手を掛ける
「やっぱり俺が脱がせる‥身体、抑えといて」
ぶつぶつと文句を言うコンプレスに身体を抑えさせて
ぴったりとしたコスチュームのチャックをあけていく
胸元に現れる薔薇
「そうだった‥ちょうどいいじゃないか‥今夜の相手は俺だ」