第10章 day7 死柄木弔
「ごめんね〜おじさん、あんまり無理矢理とかは胸が痛むんだけどね」
『お願いっ‥こないで‥っ』
「痛くはしないから、ね?」
そう言うとあっという間にビー玉のような球体に閉じ込められてしまった
ようやく球体から解放されたのはこないだとはまた違う見知らぬ建物の中だった
『ここは‥っ?』
「ビルの中?」
『要求は何ですか‥?お金なら少しは用意できます‥だから離してもらえませんか‥?また皆んなに迷惑も心配もかけたくないんです‥』
「お金は興味ないな‥」
少しずつ死柄木が近づいて来る
逃げようとしても手首をロープのようなもので縛られていて動けない
『じゃあなんで‥』
「女には興味なかったが‥お前の事は無性に手に入れてみたくなった」
『っ?!』
近付いてきた死柄木の唇が重なり合う
「まずはお互いを知るところから始めようか」
口付けを交わした唇を撫でた指が
コスチュームのチャックに手をかける
荼毘との事を思い出してびくりと反応する身体
焦って逃げようとするけれどもきつく縛られたロープは解けそうにもない
「あんまり暴れるな‥怪我するぞ」
『やめてっ‥‥私‥帰らないと‥っ』
「おい‥コンプレス‥何とかしろ‥」
「はいはい‥ほんと‥こんな可愛い女の子を虐めるのは胸が痛むんだけどね」
『んぐっ‥』
近づいてきたコンプレスに口の中に何かを入れられたと思うとそのまま唇が重なり合う
息も出来ないほど深く唇が重なり合って
舌で奥の方まで薬のようなものを捩じ込まれて思わずごくりと飲み込んでしまう
ようやく解放された時には何度も嗚咽してみても薬は出てこなかった
『ぅぅっ‥‥っはぁっ‥‥はぁっ‥‥』
「はい完了っと」
「おい‥わざわざお前がキスする必要あったのか‥?」
「ちょっとくらいはいい思いさせてもらってもいいんじゃないかーってね」
死柄木とコンプレスが話している隙になんとか逃げられないかと考えたその時だった
『っ?!!』
どくん
と心臓が跳ねて
全身が燃えるように熱い
「もう効いてきたの?薬が効きやすい子なんだね」