第9章 day6 心操人使
心操side
いつもよりも念入りに身体を洗って
おろしたばかりの新しい衣服を身に纏う
時計の秒針が進む度にドキドキと鼓動が高鳴っていく
昼間みた先生の柔らかい笑顔を思い浮かべるだけで体が熱を持っていくのがわかる
「そろそろ‥行くか」
部屋から出て寮の中にある先生の部屋へと歩いて行く
「爆豪‥か?」
「ぁあ?」
先生の部屋の前にいたのは一年A組ヒーロー科
爆豪勝己だった
『心操くんっ』
そして爆豪の陰からひょっこりと現れたのは猫の耳のようなものがついた先生だった
「お待たせ‥しました‥」
「今夜の相手はテメェか‥」
舐め回すようにガンを飛ばしてくる爆豪よりも気になるのは先生のその姿
『爆豪くんも疲れたよねっ!ほらっ‥お風呂入っておいで‥ね!』
なかなかその場から離れようとしなかったがようやく諦めたのかすごい顔で俺の事を睨みながら自室へと帰って行った
『お待たせしちゃってごめんねっ‥お部屋どうぞ‥!』
そう言って案内された部屋の中は綺麗に片付いていて
先生の甘い香りがした
あの日からずっと疼いていた身体
心拍音が急激に上がり出す
「あの‥それ‥どうしたんですか?」
ふわふわとした猫のみみ
しっぽがちらちらと動いていて作り物ではないのはみていてすぐに分かった
『実は‥今日会った女の子の個性なの‥すごいよね!』
柔らかく綻ぶ可愛い顔
もうとっくに限界を迎えていたがさすがに部屋に入った途端に押し倒すのはあまりに格好悪くてギリギリ残っている理性を掻き集める
「すごいですね‥」
『1日すれば元に戻るんだって!それまで束の間の猫気分、楽しまないとだよね!』
俺をソファに座らせると
温かいお茶を入れてくれる
「いただきます‥」
『どうぞ!熱いからゆっくり飲んでね』
自らも大きなマグカップにココアをいれて横に座るとまた満面の笑みでこちらを見る
「あの‥‥これは無意識ですか‥?」
猫が甘えてすり寄ってくるように
しっぽが太腿を撫でる
『えっ‥?!わぁっ‥ごめんね‥しっぽ勝手に動いちゃうみたい‥』
「それは‥期待してもいいってことですか?」