• テキストサイズ

【R18】僕のヒーローアカデミア 薔薇と棘

第8章 day5 緑谷出久


緑谷side



憧れの遊園地デート


大好きな人とクレープを半分ずつ交互に食べる




そんな状況に舞い上がっていた僕が先生の異変に気付いたのはそれから少ししての事だった




クレープを食べ終えた先生の額に汗が滲んでいる



それに白い肌は赤く染まり出して
熱っぽい吐息は浅く呼吸を繰り返す




楽しい時間に舞い上がりすぎて
先生の個性のことがすっかり頭から抜け落ちてしまっていた




『難しい顔して‥大丈夫‥っ?つかれ‥ちゃったかな?』




僕に悟られまいと笑顔を作るけれど少し触れた身体から異常な程の体温の高さが伝わってくる




それに伴って僕の個性も同じくらいに熱を上げていく





奥へ奥へと気持ちの奥底まで無理に仕舞い込んだ感情が

熱が


堪えきれずに溢れ出す





「先生っ‥」





小さな手を握ると突然辺りが騒がしくなり始めた






「ねぇっ‥あれ絶対ヒーリングガールだよね‥?え?私服姿も可愛すぎない?」



「男といる?!まさか?彼氏?!」



「え?!サイン‥写真っ‥」




ザワザワとどよめき出す空気





先生が個性にかかっている事はマスコミにも伏せられている




これ以上先生をこの場にとどめさせておくのは色んな意味で良くないと判断して
被っていた帽子を深く被らせて




掴んだままの華奢な手首を引っ張りながら出口へ向けて足早に歩きだす






『はぁっ‥‥はぁ‥‥まっ‥まって‥‥緑谷くんっ‥‥』





そのまま人混みを掻き分けて遊園地の外を一気に突き抜けると息を切らしながら見上げてくる



熱で潤んだ瞳

呼吸はさっきよりも乱れていて



どれ程の体の辛さを我慢しているのか僕には分からない




「失礼します!」




目立つのも良くないけど
これ以上先生の身体に負担を掛けたくない



『だ‥大丈夫だよ!私‥歩ける‥からっ‥』



「少しの間我慢してて下さい!ホテルまでの案内だけお願いします」




お姫様抱っこをするように身体を抱き抱える





『あ‥ありがとうっ‥‥』




余程身体が辛かったのか小さく頷くと僕の腕の中で身体を委ねてくれる




遊園地から少し離れたホテル
事前に相澤先生が連絡を入れてくれていたのか僕達を見るなり部屋まで案内してくれた
/ 70ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp