第7章 day4 爆豪勝己
爆豪side
「ぜってー今日こそ抱き潰すっ‥‥」
爆発しそうな程の欲にイライラが募っておかしくなりそうだ
「あんのヘラ鳥‥‥」
任務が長引いて帰れなくなったって聞いて
ホークスの顔がすぐに頭に浮かんだ
毎日ヤらねーと死んじまう個性にかかってて
そんな先生が帰れなくなって
頼れる相手っつったらホークスしかいないはずだ
夜も相変わらず腰回りに発現した棘が疼いて殆ど寝れず
ついでにいろんな想像までして最高に機嫌が悪かった
「かっちゃん‥先生大丈夫だよね‥」
「うっせぇ話しかけんな!」
「心配してるだけだろ‥っ」
ソファに座って俯く出久もまた寝れてねーのは知っていた
少しの間沈黙が流れて
次の瞬間外から犬の鳴き声のようなもんが聞こえてきた
「犬か‥?朝からワンワンワンワン‥何騒いどんだ‥」
雄英の敷地内
散歩してる奴はいねぇはずだから野良犬でも迷い込んだのか
イライラが収まらずドアを開けて外へ出ると木の影から見覚えのあるキャリーケースが見える
「やーっと帰ってきたんかよ‥」
そして木の陰から犬の鳴き声も聞こえてきて近付いていくと先生が犬に押し倒されていた
『ひゃっ‥く‥くすぐったいよ‥っ‥だめっ‥‥』
可愛い声で笑いながら
わしゃわしゃと犬の頭を撫でて
あろうことか大型犬は先生のでけぇ胸に顔を擦り付けて
首筋をぺろぺろと舐めている
「犬まで俺を挑発してくるたぁいい度胸だぜ‥‥」
ボキボキと指の関節を鳴らしながら拳を握って近付いていく
『まっ‥まって‥‥!そこは‥っ』
俺が近付いてんのに気づかねぇ先生が慌てて声を上げると
犬がTシャツの裾から顔を突っこもうとしていた
「おい‥‥爆破されてぇか‥?」
『わぁっ!爆豪くんっ‥?!』
犬の首根っこを掴んで先生のTシャツから引きずり出す
『待って‥わんちゃんは悪くなくて‥っ』
「こいつは犬じゃねぇ‥‥なぁ先輩?」
「っ‥なんで‥バレ‥たっ‥」
『えっ?!わんちゃんがしゃべった‥?!』
「とにかく‥次同じことしたら命はねーからな‥」
ぶっ飛ばしたい気持ちを抑えて先生の身体を担ぎ上げた