第6章 day3 ホークス
『やっぱり‥ない‥よね‥っ‥山の中に落としちゃったのかな‥』
昨日までは首元についていた大切なネックレス
ボロボロになったコスチュームの中にも
白衣のポケットにも入っていなかった
『ホークスさんに会うのに‥‥』
数日後に控えていたホークスさんのもとへの遠征
ヴィラン達に動きがあって急遽今から九州へ行くことになっていた
急いで荷物をキャリーケースに詰め込んで新幹線へと乗り込む
「ちゃん!!迎えに行けなくてすいません!それに突然呼び出しちゃって‥申し訳ない!」
『ホークスさんっ!お久しぶりです!お元気でしたか?』
「おかげさまで」
両手を大きく広げて歓迎してくれるホークスさんの胸元に飛び込むと一瞬私の首元をみて目を逸らす
『あ‥あの‥っ‥昨日の任務中になくしちゃったみたいで‥大切にしてたんですけど‥すみません‥』
「昨日大変だったみたいっすね‥エンデヴァーさんから聞きました‥それより‥俺があげたネックレス大切にしてくれてたの嬉しいな〜」
にこにこと微笑むホークスさんの顔が目の前まで迫ってきて
赤い羽根が
少し乱れた髪をふわりと直してくれる
「今から焼き鳥でも食べに行きます?いーとこ知ってんすよね〜それか‥「ホークスさんっ‥ヴィランが動き出しましたっ‥」
「っ!早いな‥すぐに向かいます」
さっきまでの空気が一変して
その場の空気がピリピリと張り詰める
私を九州まで呼んだという事は
それなりに危険を伴う任務だと言うこと
体を張って戦ってくれるヒーロー達から少し離れたところに救護場所を作ってそこに待機する事になっていた
『みなさんっ‥お気をつけて‥』
ホークスさんの手をぎゅっと握ると頬に軽く口付けをされる
「ちゃんがバックについてると思ったら皆心強いっすよ!早く終われたらデートしましょうね!」
『えっ‥?デート‥?』
聞き返す暇もなく颯爽と飛び立って行った
『みんな‥無事でありますように‥』
そんな祈りも虚しく
数時間後には
怪我を負ったヒーロー達が次々と運ばれてきた
『ホークスさん‥大丈夫かな‥』
時計の針が刻一刻とすぎて行く
それと共に私の体温も上がっていった