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【R18】僕のヒーローアカデミア 薔薇と棘

第5章 day2 late night 奪還


「‥‥おやすみ」


そういうと前髪を掻き分けて優しくデコピンをされる



『いてっ‥』


そんなに痛くなかったけど
条件反射で呟くと爆豪くんの口角がにやりと上がる



そしてデコピンをされたおでこに軽くキスをするとそのままくるりと振り返って自分の部屋へと帰って行ってしまった




じんじんと少しだけ熱を持つおでこ


『わ‥わたしも部屋にはいろ‥』




なんだか一気に身体から力が抜けてしまって
部屋に入った途端に床にへたり込む



身体中に鉛を身につけているような
重たい疲労がどっと押し寄せてくる


そして気付けば床で少し眠ってしまっていた




『い‥いてて‥‥』




床で眠っていた身体に痛みを感じて起き上がる



まだまだ身体は重くてどうしようもないくらい眠たいけれど
泥に塗れた身体が気持ち悪くて立ち上がる



『おふろ‥‥入ろう‥』






普段学生達が使うお風呂


今は女子がいないから女子風呂はこの機会に改装工事をしていた




男子の暖簾をそっとくぐって
衣服を脱ぎ捨てて行く



きっとこんな時間にお風呂に入りにくる子達はいないはず




身体と髪の毛を丁寧に洗って

ゆっくりと湯船に浸かると今日の疲れが溶けていくみたいだった





『はぁ‥‥あったかくて‥きもち‥‥』




そっと瞼を閉じると荼毘の姿が浮かぶ






「俺だけのもんになってくれよ」



一度私が意識を飛ばした後も何度も求められて
朦朧とした意識の中

耳元で何度も囁かれたこの言葉が蘇る




そんなにもこの個性が欲しかったのかな‥?

治癒の個性は全国でも珍しく私を含めても数人しかいない




『でも‥‥あの目はなんだったんだろ‥』




どこか見覚えのある優しい目


まるで愛しい人を見つめるような
内側に熱を孕んだ視線



『かんがえてもわかんないや‥‥』




ゆっくりと目を閉じる




あったかいお湯と
ぽかぽかと天井までのぼる湯気にあてられて頭がぼぅっとしてきた時だった




「先生っ‥?!なんで‥っ?!えっ?!男子風呂に‥?!」




「す‥すいません‥てっきり俺達が入っていい時間かと‥」



目の前には顔を真っ赤にした物間くんと心操くんが立っていた



『わっ‥こちらこそごめんなさいっ‥』
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