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【R18】僕のヒーローアカデミア 薔薇と棘

第5章 day2 late night 奪還


ピッピッピ‥と無機質な音が鳴り響く




ぼんやりと目を開くと見慣れない天井が目に入った




『びょう‥いん‥?』




「先生‥目ぇ覚めたか‥‥よかった‥‥」




『焦凍‥くん‥』




「本当にっ‥よかった‥‥」




『緑谷‥くん』





ぼろぼろと涙を流す緑谷くんに手を伸ばそうとするとその手をぎゅっと掴まれる



「心配かけてんじゃねぇ‥‥‥」




『爆豪くん‥‥みんな‥‥ごめんなさい‥』




緑谷くんはすでに泣いてたけど
焦凍くんと爆豪くんの目にも今すぐ溢れ出しそうなほどの涙がたっぷりと貯まっていて
必死にそれを堪えているのが分かった




「と‥とりあえず無事でよかったです!僕‥病院の先生よんできますねっ!」




『ありがとうっ‥みんな‥怪我は‥?』




そっと爆豪くんの頬に触れると堪えきれなかった涙が頬を伝う




「俺らはなんも怪我してねぇ‥‥こんな時くらい自分の心配しろや‥」





こぼれ落ちた涙を見られないようにふいっと向こうを向いてしまった




『そ‥そっか‥‥よかった‥』




自分を助ける為に
他のヒーローや
ましてや大事な生徒が傷ついたかもしれないと思うと胸が張り裂けそうだった



「目が覚めたか‥」




病室から先生を呼びに行ってくれた緑谷くんが相澤先生と主治医と一緒に戻ってきた


ゆっくりと体を起こすと相澤先生に抱きしめられる





『あ‥相澤先生っ‥?』




周りには生徒や病院の人達もいるのに
私を抱きしめる先生の手は緩まない




「俺が‥助けてやれずすまなかった‥‥」




こんなにも震える先生の声は初めて聞いた




「本当によかった‥。それに身体の方はもう少ししたら帰っても大丈夫ですよ!しっかりと栄養と休養をとってくださいね」



私と相澤先生の肩を優しくさすりながら主治医の先生が声をかけてくれる



その後もたくさんのヒーロー達が病室にお見舞いに来てくれて
着替えを終えて帰る頃には夜もすっかり深くなっていた



『ありがとうございましたっ!私がお世話になってしまってすみません‥』


病院の入り口にはたくさんのマスコミが押しかけていたので裏口に案内してもらう


「とんでもない‥今日はたくさんの人を助けてもらって僕たちがお礼を言う方ですよ」

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