第5章 day2 late night 奪還
身体がとっても重くて
ベッドに深く沈んでしまいそう
気付けば眠ってしまってたみたいだけど
疲れ果てた身体は瞼すら開く事が出来ない
「荼毘‥‥それはなんだ‥?」
部屋に入ってくる足音
1人‥いや、2人‥?
「死柄木‥新しい俺たちの仲間だ」
「はぁ?仲間‥?こいつヒーローだろ‥?なんでベッドで一緒に寝てる?」
聞いた事のある声に
心拍数だけがあがっていく
「え〜っ?!この人‥っ!ちゃんだよねぇっ?なんでここにいるの?!」
無邪気に近付いてくる足音
この声にも聞き覚えがある
「はぁ〜っ‥やっぱり世界一かぁいいね〜ちゃんだーいすき‥!性格もすっごいいいんだよ!弔くん‥仲間にしようよっ!」
どうしよう‥
このまま連れ去られてしまったら脱出するのはきっと難しい
連絡も出来ないまま連れ去られてしまったから
皆んなにも心配をかけてしまっているに違いない
「‥‥でも確かに‥この個性は役に立つ」
「と言うことで‥‥ヴィラン連合へようこそ」
ぐったりと力の抜けた身体を
また荼毘に抱き抱えられる
「随分と男に好かれそうな容姿だな」
「弔くんも惚れちゃった?私もちゅうちゅうしたい‥っ」
すたすたと歩き始める荼毘の両隣に死柄木とトガヒミコが並ぶ
連れていかれてしまう
それなのに情けなく私は身体を動かす事すらできない
どうしようっ‥‥
なんとか重たい瞼をもちあげて
ゆっくりと目を開いた時だった
「荼毘!そこまでだっ!」
突然乗り込んできたヒーロー達
心配そうな顔をした爆豪くんや緑谷くんたちもいる
『みんな‥っ‥ごめんね‥っ』
「謝んのは今じゃねぇっ‥‥後で無事に帰ってからだ‥っ」
すっごく怒ったような
でもどこか少し泣きそうな顔をした爆豪くんが真っ直ぐに私をみる
「死柄木と荼毘は俺に任せろ!その間にお前たちはヒーリングガールを連れて外まででろ!」
「エンデヴァー‥やっかいなのがきたな‥‥」
「っ!?あれはっ‥」
黒い霧のようなものに包まれて
そのまま中に消えていこうとする
「ま‥てっ‥‥2度もその手には‥」