第4章 day2 night 荼毘
爆豪side
「何やっとんだ‥‥なんで電話にもでねぇ‥っ」
イライラしながら寮のソファの周りを歩いてるとソファに座った轟が携帯を握りしめたままがっくりと項垂れた
「わりぃ爆豪‥‥俺のせいかもしれねぇ‥‥俺が朝激しく‥」
「うるせぇ半分野郎!!そんな話聞きたくもねぇわ!」
「ま‥まぁ‥っ‥かっちゃんも落ち着いて‥轟くんも‥きっと先生なら大丈夫だよっ‥」
「そーゆうテメェも手震えとんだろーが!」
携帯を掴んだままの手は誰がみても分かるくらいに震えていた
「落ち着け爆豪‥警察も動いてくれてる‥エンデヴァーもオールマイトも探しに行ってくれている」
今日一日俺たちの付き添いで一緒にいた相澤先生ですら隠してんだろーが小さく震えてんのが分かる
山火事が起きて
病院から山へ向かった先生に連絡がつかなくなったのは夕方の事
荼毘らしき人物に連れ去られたかもしれないと1人のヒーローから通報が入ってからずっと電話してるが出る気配がねぇ
「こんなとこでジっとしてらんねぇ‥‥俺は探しに行く」
「かっちゃん‥っ‥そりゃ僕だって探しに行きたいけど‥っ」
「離せやクソナード‥」
掴まれた右手を振り払おうとするとソファで俯いていた轟の携帯が震える
「先生っ‥」
ガタッと立ち上がる轟の携帯を奪い取ってメールを開いて愕然とする
「クソがっ‥‥」
「ええっ?!かっちゃん?!なにが‥っ」
先に拾い上げた轟も画面をみて固まった
いつもとぼけた顔した額に
怒りで血管が浮かび上がる
「荼毘‥‥」
荼毘の腕の中に抱かれた何も身に付けていない先生の写真
首筋や胸元
ピントのあんまあってねぇ写真でも分かるほどくっきりと残された痕が痛々しく目立つ
何をされたかなんてどこのバカが見ても分かる
「爆豪‥?」
フロから上がってきた上鳴がおそるおそる近付いてくる
「殺す‥‥」
「へぇっ?!」
ずかずかと玄関へと歩き出した時今度は相澤先生の携帯がなった
「っ‥‥爆豪‥緑谷‥轟‥‥行くぞ」
潰れそうな程強く携帯を握りしめた先生が立ち上がる
「居場所がわかった」