第4章 day2 night 荼毘
「突然呼び出して申し訳ない‥っ」
『そんな事より皆さんは‥っ?!』
混乱する病院の中
ドクターに案内してもらった部屋の中には火傷を負った人達がたくさんいた
「ヒーリングガールだっ!」
「まじかよっ‥!本物っ‥!!」
『みなさんお待たせしましたっ‥順番に処置しますのでお待ちくださいっ!』
トリアージを施された患者さん達をみて
重症な患者さんからみてまわっていく
『では‥失礼します‥』
火傷で爛れた皮膚にそっと口付けをする
「やべぇ‥‥俺夢見てるみたいだわ‥‥」
初めて治癒の個性をうけたのか顔を赤くして興奮したように喜んでくれる患者さん
『これですぐに痛みは引いてくると思います!時間は少しかかりますが見た目もちゃんと元通りになりますよ!』
赤くなっていた皮膚が少しずつ正常な色に戻っていく
「さすが‥‥人気も実力も噂以上ですね!」
全員の処置を終えて
休憩室で休んでいると看護師さん達が飲み物を持ってきてくれる
『そんなっ‥恐れ多いです‥皆さんの適切な処置のおかげです』
ぺこりと頭を下げるとその場にいたみんながパッと顔を覆い隠す
『大丈夫ですかっ?!』
「すみませんっ‥‥あまりに眩しくて‥」
『‥?』
今日はたくさんの雲が太陽を覆い隠していて空は曇り空だった
ピピピピピー‥
ポケットに入れていた携帯が震える
『すみませんっ‥失礼しますっ!』
校長先生からの電話と分かり嫌な予感に心臓がどくりと跳ねる
急ぎでかかってくる電話は大概緊急事態の時だった
「もしもし‥火傷の患者さん達は大丈夫だったかな?お疲れのところ続け様に申し訳ないんだけどね、急遽向かってほしいところが‥」
『分かりましたっ‥至急向かいます‥っ!』
少し離れたところにある山の中
多数のヒーローが負傷しているとの連絡が入った
沢山お礼を言ってくれる患者さん達に深く頭を下げて
急いで病院を後にする
『全員を助けられますようにっ‥‥』
山へ近づくに連れて周りの気温が上昇していく
青く燃え上がる炎
その先には荼毘が待ち構えていた