第3章 day2 morning 轟焦凍
轟side
昨晩から異常に身体が熱を持つ
熱さに慣れてる俺でも
この身体の底から疼くような熱
下腹部に絡みつくように浮かび上がる棘のある紫の印
昨日緑谷達が言っていた個性のせいか
こんな事は初めてで
寝苦しい夜
布団から抜け出して寮の周りを歩いていた
「っ‥この香りは‥」
風にのってきたふわりと甘い香りに心臓がどくりと跳ねて
急いでそっちに向かう
「先生っ‥」
『焦凍くんっ?!顔真っ赤‥大丈夫?!』
俺と同じくらい顔を赤くした先生が慌てて駆け寄ってくる
近くなる香り
いつもなら我慢できるはずの気持ちがどくどくと溢れ出すようにして
ついその身体を抱き締める
『身体あついね‥っ』
突然抱きしめられて
突っぱねてもいいはずなのに
優しく俺の背中を撫でてくれる
「わりぃ先生‥」
抱きしめたままこつんと頭を肩に預ける
『全然大丈夫だけど‥なんだか呼吸も苦しそうだし一旦中に入ろっか?良かったら一緒に!私もお部屋に戻るとこなの』
「部屋‥行ってもいいんですか?」
『うん!何か冷たい飲み物でも飲んで落ち着こうね』
まだまだ時間はあるしね
とふわりと微笑むその顔に心拍数は上がる一方だった
『冷たいハーブティーなんだけど飲めるかな?』
「ありがとうございます‥」
先生の為に用意された部屋に案内されて
ベッドに腰掛ける
『もしかして寝れなかった‥?』
俺の横に座って心配そうに顔を覗き込んでくる
化粧をしてない先生はいつもよりも少し幼く見えて
あどけなくてすげぇ可愛かった
いつもはゆるく巻かれている柔らかな髪は
まだ何もセットされておらず
少し寝癖がついていたけど
とても綺麗なストレートの髪が天使の輪を作っていた
「あんまり‥近寄らない方が‥」
明らかに男物の大きなTシャツ
襟ぐりからちらりと大きな胸の谷間が見える
ヒーリングガールのコスチュームじゃない姿はとても新鮮で
何もかもが俺の欲を掻き立てる
『焦凍くんも個性が強くでちゃったかな‥?』
「ーっ!」
小さな手がそっと俺の頬に触れる
その瞬間に
ぶわっと身体の体温がさらに上がった