第14章 day10 物間寧人
物間side
くたりと力の抜けた身体からゆっくりと昂りを引き抜くと
とろりと白濁した欲が溢れ出る
すーすーと聞こえてくる寝息
小さく上下する肩
普段あまり目にした事のない好きな人の寝顔
可愛くて
愛おしくて
腕の中にそっと抱き締める
『ん‥‥』
柔らかな髪を撫でて
そっと視線を身体にうつす
透き通るような白い素肌に残る
いくつもの生々しい痕
相澤先生や警察は詳しい事は何も話してくれなかったけど
何があったかは容易に想像がついた
だから
本当はまだまだ足りないし
先生の心も身体も全部僕で埋め尽くしたいくらいだけど
「今日のところは‥ここまでにしましょうか」
『‥ものまくん‥‥ありがと‥』
瞳は閉じられたまま
むにゃむにゃと寝言のように呟いて
柔らかな身体がそっと擦り寄ってきた
身体に密着するふわふわで大きな胸
赤ちゃんみたいにすべすべで触り心地の良い素肌
先生の甘い香り
全てに欲情してどくりとまた昂りが熱をもつ
「どこまでも煽ってくるとは‥さすがですね」
僕の気持ちを知る由もないヒーローは
僕の腕の中で天使のような顔して眠っている
「いつか‥その時がきたら、覚えておいてくださいよ」
大人になって
ヒーローチャートの10位以内にランクインしたら
必ず
先生をモノにしてみせる
だから今は
グッと自分の気持ちを押さえつけて
しばらくそのまま目を閉じていると
長かった夜がゆっくりと明けていく
それは即ち
この身体がまた
他の男に抱かれるという事で
複雑な想いにまた胸の中が嫉妬やいろんな感情で拗れていく
『あ‥れ‥‥?ものまくん‥?』
まだ眠たそうに少しだけ開かれた瞳が
僕を見る
確実に今だけは
僕だけの先生だと言う事実に
少し胸を高鳴らせた
「いつまでも脇役でいるつもりはありませんから」
『っ‥!』
寝癖で跳ねる柔らかな前髪をそっと避けて
形のいいおでこにそっと口付けをすると
ウブな少女のように頬を赤らめた