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【R18】僕のヒーローアカデミア 薔薇と棘

第14章 day10 物間寧人


物間side



ふに‥と柔らかな頬に触れる



『どうかなっ?試してみるっ?私ちょうどさっき火傷したんだった!』


パッと手を開くと指先に包帯を巻いていた



ヒーリングガールは他人の治癒は出来るが
自らの治癒はできない



「では‥失礼します」




試してみるということは即ち
合法的に先生の肌に口付けをできるということ



小さな手をそっと掴んで
王子が姫にキスをするように手の甲に口付けをする




「どう‥ですか?」




『ん〜‥』



包帯をくるくると外していくと痛々しく赤く腫れ上がったままだった




「スカでしたか‥」



「物間!何先生にキスしてんの?!」



「拳藤?!これには訳がっ‥!?」



言い訳をする間もなく拳藤の手刀が僕の首筋に振り下ろされる





『拳藤さんっ!?』



そこからは一時的に記憶がないけど
気付いたら保健室のベッドに寝転んでいた




『物間くん!目覚めたみたいでよかった‥!私のせいでごめんね!』




白衣を靡かせて僕に駆け寄ってくる



そのぱっちりとした大きな瞳に僕だけを映して
細い指先が頬に触れた




みんなを助けるヒーローを
今だけ独り占めしている気分になって相当気持ちが良かった






ヒーリングガールの事は雄英に入学する前から勿論知っていた


テレビで見た時からなんて魅力的なんだと思っていたけど



実際に会って好きになるのには時間は全くかからなかった





あっという間に惹かれていた



これがヒーリングガールという人間性なんだろう



そんな憧れの人と




僕は今日‥




そう思うだけで今日の授業は全く身が入らなかった




ブラド先生に何度怒られても頭の中は先生の事でいっぱいだった






「何で俺よりテメェが‥」


廊下ですれ違った爆豪が殺気だった様子で僕を睨みつける



「嫉妬かい?醜いねぇ〜!そんなんだから選ばれないんだよ?分かる?!」




「死ね」





大きな声で嘲笑うと中指を立てて歩いていった





そして約束の時間
先生の部屋の扉の前に立って深呼吸をしてノックをする




『お待たせしました‥物間くん』




「全然待ってませんよ!僕は爆豪みたいに野蛮な男じゃありませんから!」

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