第1章 雨上がりの空に/十亀 条
「ん、ちゅちっ、···んは、っ」
私の後頭部を支える条くんの大きな手。
唇から伝わる熱に答えるように口を開けば、熱い舌が私の中へ入ってくる。
互いに舌を絡めて、時折条くんに吸われて、気持ちの良さに目眩がくらっとする。
「···はぁっ、」
条くんの熱っぽい低い声に、耳が蕩けそうになる。
緑色の綺麗な瞳に見つめられて、名前を呼ばれただけでどきっと心臓が跳ねた。
──あぁ、好きだなぁー。
心の底から沸く感情の波に、頭の処理が追いつけない。
キスだけでもこんなに胸を満たされる。
抱き締める腕の強さ、もう離さないと言われているようで胸が更に高鳴るのを感じる。
「はぁ、はぁ、っ···じょ、んんぅ」
「···、ベッド、行こうか」
好きなだけ条くんが私の口の中を犯した後、私をふわりと持ち上げて、返事も待たないうちにゆっくりと降ろされた。
「悪い···出来るだけ優しくするけど···、我慢出来ないかも知れない。だから今のうちに謝っとく···」
頬を赤くして上気した顔をして謝る条くん。
多分余裕が無い中で必死に我慢してるのに、こうして気づかってくれる彼が堪らなく愛おしい。
そんな事言われてしまったら、私の方が逆に求めてしまいそう。
ううん、···私だって条くんが『欲しい』。
甘い切なさを、条くんだって感じてるんだ。
「いいよ。条くんになら···何をされても構わないから」
「···本当に?」
「···だって私、条くんの事···愛してるから、んぅっ!?」
言い終えるや否や、条くんが私に覆いかぶさって、再び唇にキスをされた。
今度は噛み付くような熱いキス。
「あっ、!ん···あ、じょ、くん?」
キスをしながらTシャツの中に条くんの手が侵入し、ブラの上からやんわりと胸の感触を味わうように揉んでいく。
乳首のあたりに爪でカリカリと、掻かれて私は堪らず声を漏らすと、条くんはTシャツを胸の上までたくし上げた。
「白···」
「言わないで」
白いレースに縁取られたブラ、中心には小柄なリボンが付いていてお気に入りだ。
ストラップにも小花のレースが付いていて、実は条くんにいつ見られてもいいようにこんな下着を毎日着ているのは、私だけの秘密だ。