第2章 茉莉花の香り/蘇芳 隼飛
「···!」
隼飛の舌に、丁寧に、甘く口内をじっくりと犯された後で、隼飛にぎゅっと抱き締められた。
───茉莉花の匂いがする。
隼飛に抱き締められた瞬間、茉莉花の甘いふわりとした香りが鼻を掠めた。
隼飛の匂いに、落ち着くような、何処かくらりとしそうな感覚。
高鳴る胸の音がキュン、として、でも、それは私だけじゃなくて。
抱き締められてピッタリと重なる体は、互いの心音をとくとくと相手に伝えていた。
「···隼飛。心臓、速い···」
「そりゃあね、好きな子を抱き締めてるんだから、オレだってドキドキするよ。···ね、本当にいいの?」
「うん、いいよ···」
「途中で止まってあげられないよ。ずっと、ずっとの事、想ってたんだから···」
隼飛が私から体を離して、覆いかぶさると、私の目をじっと見つめて紅茶色の瞳を細めた。
そんな事、真っ向から言われて、私は頬を赤らめた。
顔が熱い。
「···顔、真っ赤で可愛い」
「···、」
「、オレの全部、受け止めて。その変わり、オレもの全部を受け止めるから」
その瞬間、隼飛は私の唇に噛み付くような、口付けをした。