第2章 愛情ゲージ
彼と出会って早くも二度目の週末。今週の週明けは、内心はイライラモード炸裂してました。でも、それも直ぐに収まりましたが。理由?
それは、元カレが後輩と同棲を始めていた事を知らされたから。あのニヤニヤした顔で、私の気持ちを探ろうとする後輩を何とかスルー。
比べるのはダメだろうけれど、元カレは家事なんて女の仕事だと思ってる人だ。家賃は折半なのに、家事は私に丸投げだった。高熱出して寝込んだ時も、「俺の飯は?」って言われた事もあったっけ。あの時は、殺意覚えたなぁ。
それに引き換え、今彼は私に対して甲斐甲斐しい。いいのか?こんな美男子にお世話されて。罰があたるんじゃないのかと戦々恐々している。
そして、今日は丁度あの日から一週間が過ぎた週末。
帰り支度をしていると、同僚から声を掛けられた。同じ経理課の二年先輩 牧岡 澄子。新人の時から、本当にお世話になった人だ。
「ねぇ、留美子。」
「何ですか?」
「留美子も彼氏いるって言ってたよね?」
「えぇ、まぁ。」
そこへ喰い付いて来たのは、後輩の相良 真弓。本当にいい性格をしていると思う。
「そうなんですか?南野先輩の彼氏って、どんな人なんですか?見てみたいですぅ~。」
澄子先輩には、悪意なんかないのは分かっている。だが、この短大出新卒入社21歳の後輩は悪意でしかないだろう。
「確か、結構長い付き合いじゃなかったっけ?」
「そうだったんですけど、破綻しました。」
「えっ、そうなの?同棲してたよね?」
「そうですね。浮気された上に、私の私物勝手に捨てられてました。」
「ひどお~いっ!!南野先輩、可哀想っ~!!」
原因の半分は、あんただろと言いたいけど我慢だ。
「住むところはどうしてるの?」
「あ、大丈夫です。新居あります。」
「そう。まぁ、留美子はしっかり者だから。でも、何か困った事があればいつでも言ってよ?」
「ありがとうございます。何かあった時は、ご相談させて貰いますね。」
「今晩、飲みにでも行く?話しくらいは聞くよ。」
「お気遣いありがとうございます。でも、今日は先約がありますから。」
「そうなんだ。じゃあ、また都合のいい日でも。」
先輩は本当に優しい。それに引き換え、この後輩はニヤニヤが隠しきれてない。私にマウント取りたいのだろう。