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好意は好意のままでは終わらない

第11章 思い込み


「それに、出来るだけ家で仕事をするから。折角、留美子さんを手に入れられるんだから、出来る限り留美子さんとの時間を作りたい。そして、僕がお世話したい。」

こんな美男子なのに、マメなんだよね。

「ねぇ、侑佑くん。」
「今晩、留美子さんを食べていいの?」
「イヤ?」
「イヤだなんて、思う訳ないよ。最近、留美子さん元気なかったから・・・。その気になってくれて嬉しい。それで、明日は週末だからいいんだよね?」
「うん。侑佑くんの好きにしていいよ。」
「言質は取ったからね?僕が満足するまで、僕に溺れさせてあげる。愛してるよ、留美子さん。」

もう既に、彼に溺れている。彼が満足するまで・・・満足・・・満足?えっと・・・週末だから、週末だから?

「ね、ねぇ・・・?」

続きの言葉は、キスによって塞がれた。

「まだだよ。最近、ずっとお預けだったんだから。僕は全然、満足してないから。留美子さん・・・もっと、僕を独り占めしてよ。僕は留美子さんのものなんだから。」

彼の申し出でタガが外れたらしい私は、彼が望む様に彼を独り占めした。明日は、週末。だったら、好きなだけ愛し合ってもいい。

それは私の意識が飛ぶまで続けられ、その後は彼の腕の中で幸福感を味わった。

その後の新任には、滞りなく引継ぎが出来て彼に言い寄る人でもなかった。先輩も引継ぎが終わり、私たちは会社を退職した。

私が退職した翌日から、彼は殆どを家で過ごした。仕事の合い間にフト、私に甘えて来る。甘えて来るだけで終わらない時もあるけど、今だからと思う事にした。

彼の方も、引継ぎは順調で友人が頑張ってくれているそうだ。たまに、電話が掛かって来るけれど、順調そうだ。そして、社長が最近しなびれているらしい。

私に直談判して来るけれど、その度に彼に牽制されている。彼似の兄弟に顔だけでも見せてと言ったらしいけれど、嫉妬されて爪弾きされたらしい。

「たまには、顔を見せに行ってあげたら?」
「う~ん・・・今が天国過ぎて、何処にも行きたくない。留美子さんの傍にいたい。」

先輩とお茶する約束をして、その間だけでもと会社に送り出せば社長からのお礼の電話を頂けた。どうか、元気に頑張って欲しいです。

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