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好意は好意のままでは終わらない

第9章 冬期休暇


世間がクリスマスで華やぐ頃。

私はと言うと、高倉一家と澄子先輩夫婦とある一軒家を貸し切ってのクリスマスパーティーを催す事になっていた。

高倉家からは、彼の両親から始まり社長夫婦。次男の洋祐さんと三男の俊祐さん。そして、彼と私。澄子先輩は少々委縮していたけれど、あの事が切っ掛けでウチの社長同士がどうやら仲良くなったらしい。

そして、イベントのお料理はと言うと・・・流石、お金持ちと言いますか。お料理を用意してくれる料理家さんをデリバリーしてのイベント。

どうやら、肩身が狭かったのは私と澄子先輩だけらしい。そんな私たちに甲斐甲斐しくお世話してくれる彼と澄子先輩の旦那さん。

私は今回のイベントで、次男の洋祐さんにお礼を言っておいた。洋祐さんは彼と同じで母親似の美形だ。そして、どうやら三男の俊祐さんと実の兄弟ながらも恋人同士らしい。

俊祐さんは長男同様父親似。ダンディでこれまたイケメンだ。美形が集まっていて目が眩しい。

両親は次男と三男の事を知っても、反対することはなかったと言う。そして私も、美形同士が故か綺麗なカップルとして見ている。

「侑佑くんもそうだったけれど、お兄さんたちも凄くモテたんじゃない?」
「うん?兄さんたち?う~ん・・・まぁ、確かにモテたとは思うけど、自力で撃退する腕はあるから。ただ、ウチの兄弟で一番容赦ないのは弁護士の洋祐兄さんなんだ。」

見た目、あんな美しく線の細い人なのに一番容赦ないらしい。弁護士が故だからだろうか?

「俊祐兄さんに言い寄る女性の牽制は凄かったよ。いっつも理論攻めなんだよね。それもあの顔を生かして。」
「それって・・・。」
「自分に鞍替えさせて、こっぴどく突き放す。」
「俊祐さんは、何も言わないの?」
「そりゃあ、言うでしょ。今まで自分に好きとか言っていた相手が、あっさりと鞍替えするんだよ?面白い事に、今度は俊祐兄さんが牽制したりして。結局は、二人の仲に割り込めないと実感させられるんだ。」
「そうなんだ。」

そんな二人は、洋祐さんが俊祐さんに甲斐甲斐しくお世話している。距離感も恋人同士のそれだ。

「仲いいね。」
「うん。僕でも、どっちかに肩入れすれば嫉妬される。幾ら兄弟でも、一人の人間扱いなんだよ。でも、もうその心配はないけどね。」
「私と婚約したから?」
「うん。二人揃って、喜んでくれてる。」
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