第7章 彼の元カノ
アレから十日ほどが過ぎた。彼の腕の中で同じテレビを観ながら、微睡んでいると彼のスマホが鳴り響いた。
「・・・はい。・・・は?本当に余計な事を・・・。・・・うん、知らせてくれてありがとう。・・・うん・・・うん・・・分かった。じゃあね。」
通話を切ると、私をギュっと抱きしめあちこちにキスする彼。
「何かあったの?」
「あぁ・・・うん、ちょっとね。元カノAが元カノBにマウント取って、僕の知らないところで揉めてるらしいよ。何か、元カノBが、私なら奪い取れるとか言ってるって。」
「えっ?元カノ同士って知り合いなの?」
「うん。僕とのこと他のヤツらに話したら、元カノBの耳にも入ったみたいで。見た目が良くて外面いいけど、僕の知り合いは僕とのこと知っているから気にして一報くれたみたい。」
「知ってるって、どんな事?」
「僕がフラれたこと。そうでなくても、元サヤになんか戻る筈ないよ。僕って思考が振り切れているから、本当に留美子さん以外はどうでもいいんだよね。」
「そうなの?」
「うん。僕は留美子さんがいい。留美子さんしか要らない。もし、留美子さんに捨てられたら・・・死んでもいい。」
「そ、そんな事言わないでよ。捨てたりしないし、そんな・・・。」
「留美子さんが傍にいてくれる限り、僕は人で居られる。言ったでしょ?僕には留美子さんだけだって。」
「ずっと、傍にいてね?」
「勿論だよ。死ぬまで留美子さんの傍にいる。」
彼にキスすると、それはそれは嬉しそうに笑ってくれる。
「もっと、キスして?もっと、僕を留美子さんのものにしてよ。全部あげるから。」
彼は彼の所有を私に委ねる。もっと、自分のものにしてと言う。
「侑佑くんは、私のものだよ。余所見なんて許さないから。ずっと、私だけを愛しててね。」
「うん。僕は留美子さんだけのものだよ。僕の全部留美子さんにあげる。」
彼の愛情あふれる伽に、私はすっかりハマってしまっている。彼の身体に、私の所有印を付けては私のものなのだと知らしめた。