第2章 高校生
「そうそう」
及川が笑う。
「校門までは普通に歩いてたんだけどさ」
「うん」
「体育館に急ごうとして転びそうになっちゃって」
「……」
「だから手、繋いで連れてきた」
「そっか」
菅原は笑う。
「ありがとう」
そう言って。
くるみの方へ手を伸ばす。
「もう大丈夫だべ」
『……?』
「俺がいるから」
『うん!』
菅原の手が、くるみの腕をそっと取る。
そして。
自然な動作で。
及川からくるみを自分の隣へ引き寄せた。
「ほら、こっち座って」
『はーい』
「今日は見学なんだろ?」
『うん!』
「じゃあ無理しない。約束できる?」
『できるよ!』
菅原がくるみを椅子まで連れていく。
と、
「くるみちゃん。」
及川がその背中を呼び止める。
「ちゃんと見ててね?」
クスリと笑う及川さん。
菅原は笑いながらその目を見る。
どちらの目も笑っていなかった。
これは挑発…牽制だ。
本人は何も分かって無さそうに自分の腕の中できょとんとさせている。
純粋無垢なその顔に少しだけ苛立ってしまうのだった。
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菅原の様子を見て及川が小さく笑う。
「……なるほどね」
岩泉が後ろから近づいてくる。
「何がだ」
「いや?」
及川は楽しそうに笑う。
「俺、あの子好きかも」
「は?」
「一目惚れ」
「……お前、さっき会ったばっかだろ」
「関係ないじゃん」
「……また始まったよ」
「今回は本気」
及川がくるみを見る。
みんなに囲まれて楽しそうに笑っている。
その姿から目を離せない。
「絶対、俺のこと好きにさせる」
「勝手にしろ」
岩泉は呆れたようにため息をつく。
「それより早くアップしろ。」
「言われなくても?かっこいいとこ見せなきゃね」
そんなことを言う及川に岩泉はため息が止まらないのだった。