第2章 高校生
「俺、今日めちゃくちゃツイてるかも」
『?』
「なんでもないよ」
二人で歩き出す。
けれど。
及川はあまりの可愛さに何度も隣を見てしまう。
『……?』
「……」
『及川さん?』
「ん?」
『あの、勘違いかもですけどさっきから私のこと見てないですか?』
「えっ」
図星。
『私何か変ですか…?』
自分の姿を確認してなにか着いてないかソワソワし出すくるみ。
「いやー……」
及川は少しだけ笑って頭をかいた。
「可愛いなぁと思って」
『……え?』
「その髪も可愛いし」
『……』
「目も綺麗だし」
『もー、及川さんからかわないで下さいよー!』
頬がほんのり赤くなる。
その反応を見た瞬間。
及川の胸が、どくんと鳴った。
――あ。
駄目だ。
これ。
好きになるやつだ。
「ねえくるみちゃん?」
『はい?』
「彼氏いるの?」
『……え?』
あまりに突然で、足を止める。
「いや、ほら」
及川も足を止める。
「こんな可愛い子、一人で歩いてたから」
『そんなことないですしいませんよー!』
「……!」
照れて恥ずかしそうに笑うくるみ。
思わず顔が緩む。
『?』
「そっか」
『はい』
「よかった」
『……?』
「……なんでもない!」
及川は笑った。
でも。
心の中では。
――絶対、仲良くなろ。
――絶対、振り向かせよ。
もう決めていた。