第2章 高校生
『明日からバレー部楽しみだな〜!』
嬉しそうに笑うくるみを見て。
菅原も、つられるように笑った。
けれど。
その胸の奥では。
今日一日、何度も見た光景が浮かんでいた。
日向と楽しそうに話していたこと。
影山に助けてもらって笑っていたこと。
みんなに囲まれて、嬉しそうにしていたこと。
そして。
「……人気者だな」
『え?』
「なんでもない」
『変なの』
また笑う。
菅原はその笑顔を横目で見ながら思う。
――これから毎日。
この笑顔を、みんなが見るんだ。
それが嬉しいような。
少しだけ、嫌なような。
自分でもまだ名前のつけられない感情を抱えたまま。
二人は夕暮れの道を歩いていった
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その背中を、体育館の窓から眺めていた人物が一人。
「……」
月島だった。
「ツッキー?」
山口が声をかける。
「何見てるの?」
「別に」
月島は窓から視線を外す。
「…帰るよ山口」
「う、うん」
――まだ誰も気づいていない。
彼女が「マネージャーになろうかな」と決めたその日から。
烏野高校男子バレー部の毎日に。
少しずつ、彼女が入り込んでいくことを。
そして。
彼女自身が一番気づいていないだけで。
その存在を気にし始めている人が、もう一人いることも。